さめ的キーボードBlog

キーボード関係のブログ

東プレスイッチをカスタムして評価が180°変わった話

こんにちは。

 

前回は何もしていない状態の東プレスイッチをレビューしましたが、今回は潤滑油を塗った状態の東プレスイッチをレビューしていきたいと思います。

何もしていない状態のレビューはこちら

sameloft.hatenablog.com

打鍵感

ルブしていない状態の東プレスイッチはキーが擦れるような感触がありました。
その状態でも「まあ良い部類かな」くらいの打鍵感だったのですが、いざルブをしてみると「あっ最高」と思わず声が出てしまう程の打鍵感になりました。

擦れる感触が少なくなり、気持ちいいタクタイルバンプが気持ち良いです。
底打ちは相変わらずメンブレンに似ていますが、それをカバーする形でタクタイルバンプがあるので、ルブをしてより一層それが目立ちます。

カニカルでは絶対に味わえない、なんとも言えない打鍵感です。

コレは人生で一度は体験した方が良いです。

打鍵音

「カサカサ」と言うか「コトコト」と言うか「サッサッ」と言うか....
本当に「雪を押している感覚」に近いです。

あえて潤滑油は薄ーく塗ったのですが、大正解でした。(いつもはリニアスイッチにたっぷり塗っている)


打鍵音は最低限の雑音を取り除き、本来の東プレスイッチの音が聞けます。

これまでマイナスポイントだった「カチカチ」としたステムのぐらつきによる雑音が全く無くなり、まさしく「コトコト音」にふさわしい音です。

 

バネの反響音も位置を矯正したおかげで無くなり、最高です。

東プレスイッチを分解してみた感想

初めての分解で緊張しましたが、それなりの価値は十二分にあります。

カニカルスイッチと比べてかなりやりづらい作業でした。

 

下から「基板→スプリング→ラバードーム→ステム」になっているので、一度キーボードを分解してプレートと基板を3枚卸しの様にしてからキースイッチにアクセス出来るので、普段からホットスワップのメカニカルに甘えている私目線だと大変な作業です。

それも、ステムもプレートも潤滑油を塗る位置がかなりやりづらい位置にあるので、ルブをしていた時は手がこんがらがっていました。

見た目はこんなの

初めて東プレスイッチの中身を見たのですが、なかなか面白い形になっています。

あれがメカニカルやメンブレンと同じ「キーボード」なのですから、キーボードの世界は奥が深いですね。

 

ちなみに、使用した潤滑油はみんな大好きGPL205G0です。

東プレスイッチ

こんにちは。

 

そこの貴方!HHKBやRealforce等の東プレスイッチ搭載のキーボードを購入するか迷っていませんか?

今回は私がRealforceを使用した中で、気がついた事をまとめていきたいと思います。

打鍵感

「打鍵感がすごい!」「高級キーボード!」と世間では言われている東プレスイッチですが、私は良いとは思いますが最高かと聞かれるとそうは言えません。

 

まず、ボトムアウト(底打ち)時の「ネチャァ」とした打鍵感がメンブレンそっくりです。

それもそのはず、東プレスイッチは静電容量無接点方式と言って、安価なメンブレンと同じラバードームでキーが戻ります。(一応スプリングも入っている)

ラバードームのおかげでみんな大好きタクタイルバンプがあるのですが、ボトムアウトがメンブレンそっくりとなるとデメリットの方が大きいです。

高級感がどうだの以前に、チューニングが必要ですね。

 

先ほどもお話ししたタクタイルバンプですが、これはかなり良いです。
Holy Pandaの様な独特なタクタイルがなんとも癖になります。

打鍵音

正直に言います、中の上です。

 

潤滑油が塗られていないので「かちゃかちゃ」とした雑音があるのと、スタビライザーをチューニングしていないのでスペースキーは雑音多めです。

残念ながら「高級感がある」とは言えませんね。

 

それと、購入して3日くらいの頃に気がついたのですが「ボーン」と言った謎の反響音がTキーやEscキーから聞こえてきます。
詳しく調べてみた所、これはスプリングの反響音らしく中のスプリングがずれていて、それが音の原因だとか。(これが最高峰のキーボード...?)
構造上、生産時にどうしてもスプリングがずれてしまうらしく、仕様との事です。

 

そして購入から数ヶ月経った今、とんでもない事に気付いてしまいました!

「何か反響音が鳴るキー、増えてね?」

いやいや、最高峰のキーボードなんだからそんな訳ないでしょ!

25000円ですよ!25000円!!GMK+キースイッチ買えちゃいますよ!

海外ならまだしも、日本の会社なんだからそんな事起きるわけ...

「いや、確かに増えてるな...」

はい、そうです。

なんと購入時から反響音が鳴っていたTキーに加え、Tキー周辺のYキー、Gキー、5キー、4キー、よく使うバックスペースキー、半角全角キー、左コントロールキーまで反響音が鳴っているではありませんか!!!

いやいやいや、最高峰って何ですか?東プレさん

 

しかも左コントロールキーはかなり深刻で、ちょっと押しただけで「ボーン」と、かなり大きな音が聞こえてきます。

 

うーん、改造必須!!

ステム

皆さんご存じだとは思いますが、ステムはMXでは無く独自の物になっています。

 

GMK?PBTfans?JTK?使えません!

まとめ

どんなキーボードも改造無しでは100%の力を発揮できませんね。

レビューでは絶賛されているので、改造無しでいけるのかと期待した私の認識が甘かったです。

チューニング大事、絶対

 

東プレスイッチなんて改造したことが無いので心配です。

とりあえず試しに矢印キーだけMXステムに交換して、ルブとスプリングの位置調整と出来るかは分かりませんがスタビライザーのチューニングをやりたいと思います。

ああ、ANSI配列にしておけば良かった...(ノリでJIS配列を買ってしまった)

 

ラバードームやスプリングも交換して押下圧を50gか60gに変更したいのですが、日本では入手困難なのが残念。

Deskeysと言う海外サイトで手に入るらしいのですが、支払い方法がPayPalだけ...

Deskeysさん!!Visaも追加して下さい!!

メカニカルキーボードの軸とは

こんにちは。

カニカルキーボードやゲーミングキーボードについて調べているとという言葉をよく耳にします。

ここではそのついてより詳しくより簡単にまとめているので、これからメカニカルキーボードを購入する方は必見です。
すでにメカニカルキーボードを持っている方もおさらい程度に是非。

まずはここから!キースイッチの仕組み

軸について解説する前に、まずはキースイッチの仕組みを理解しなくてはなりません。

キースイッチはステム、スプリング、トップハウジング、ボトムハウジング、リーフの5つのパーツによって構成されています。

左からステム、スプリング、トップハウジング、ボトムハウジング、ボトムハウジングの中にある金色の金具がリーフ

このパーツ達を組み合わせる事によって、初めてキースイッチとして成立します。

トップハウジングを取ったキースイッチの中身

キースイッチを押す事でステムがリーフ(金色の金属部分)に干渉し、リーフの接点が無くなる事によってキーとして反応しています。

軸=キースイッチでは無い?メカニカルキーボードの軸とは

ここからが本題です。
カニカルキーボードの軸とは一体何を指す言葉なのでしょうか。
多くのブログやサイトではキースイッチを指しています。

軸=キースイッチという訳です。

しかし、この考え方は間違っており軸=キースイッチでは無いのです。
では、は何を指しているのか。

答えはステムです。

ステム「ボクガジクダヨ」

このパーツがであり、軸はステムの日本語訳です。
その証拠にGoogle翻訳でStemを日本語に訳すとその他の候補欄に軸と表示されます。ではなぜ軸=キースイッチという間違った情報がここまで世に浸透しているのか。

軸=キースイッチが世に浸透している原因や考察

カニカルキーボードにはスタンダードなキースイッチとして「赤軸」「茶軸」「青軸」が存在します。
それぞれ特徴を持っており、話が脱線してしまう為詳しくは説明しませんが「赤軸はスムーズ」「茶軸はコリコリ」「青軸はカチカチ」とでも思っていれば大丈夫です。

 

そもそも「赤軸」「茶軸」「青軸」はCherryMX red、brown、blueに由来します。
CherryMX Redを日本語に訳すとチェリーエムエックス 赤になります。
これでは何だかぎこちないですよね。
そこでCherryMX Redはステム(軸)が赤色なのだから、Red Stem日本語訳で赤色の軸、略して赤軸となった訳です。
他のbrown、blueもステムの色と名前が同じなので茶軸、青軸になりました。

 

そして、このスタンダードなキースイッチにはある共通の言葉が付いています。
それがです。
「赤軸」「茶軸」「青軸」が日本に浸透していくと、いつの間にか赤色の軸では無く赤色のキースイッチという意味になってしまいました。
キースイッチ=軸になってしまった訳ですね。

言葉の意味が時の流れで変わってしまうのは良くある事です。
例えばよく使用されるOKの由来はall correctの略称です。
ですが、略すとしたらACになるはずですよね。
OKになった理由は略す時にoll korrectと誤字してしまい、OKになったそうです。

 

こう言った間違いは時間の流れで「OK」の様に問題なく使用出来るようになりますが、問題はここから。

 

2013年、CherryMXメカニカルスイッチの特許が失効しました。
特許が失効すると、他社製のキースイッチ所謂MXクローンが各社から発売され始めます。

赤軸を模した物や赤軸とは素材が全く違う物、赤軸より打鍵感や音に優れている物など、大量のキースイッチが2013年から現在まで開発、販売されてきました。
こうなると、2013年まで主流だった「ステムの色=スイッチの名前」が使用出来なくなります。
(各社から様々なカラーのスイッチが発売されており、例えば赤色のステムなのに茶軸の打鍵感のキースイッチが存在する為)

 

MXでは無い他社製のキースイッチには名前が付いており、先ほど分解したキースイッチはDurockから発売されているAlpaca Switchという名前のキースイッチです。

Durock Alpaca Switch

2013年までの考え方であるステムの色=名前が通用せず、名前であるAlpacaは見た目と何一つ関係ありません。
このスイッチをステムの色=名前で考えるとMX静音赤軸(ピング軸)になります。
ですが、構造、打鍵感、音、素材は静音赤軸とは全く違い、完全なる別物です。

なので、ステムの色=名前は現在では推奨されません。

アルパカ軸なんてもってのほか、正しく言い直すとAlpacaのステムになってしまいますよ。

まとめ

正しくは軸=ステム

軸=キースイッチは問題大あり!

軸の色=名前は古い考え方

キースイッチは○○軸では無く名前で呼ぼう!

と、言った感じです。

 

いかがでしたでしょうか?ちょっとした豆知識として覚えてもらえれば幸いです。

最後に見本用のスイッチである、Alpaca スイッチの購入はこちらから